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野良ネコ「ハンハン」のおはなし (後編)
- 2008/05/19(Mon) -
昨日の野良ネコハンハンのおはなし後編です。


ハンハンに導かれるかのように車道を渡り、我々が着いたのは道路わきの草むら。
そこには可愛い2匹の仔猫が母猫の帰りを待っていた。
ハンハンはお母さん猫だったのだ。

野良猫は出産するときに外敵の居ない静かな場所を探すと聞くが
確かにここには歩道が無いので人通りが無いという意味では静か。
外敵となるカラスの巣も無い。
とは言え、こんなに車の往来の激しい場所を選ぶとは、
野良ネコたちの住み難い世の中になってしまったのだろうか?

oyako3.jpg
 「わたしの子供たちよ。」

はじめは知らない人間の姿を見て警戒していた仔猫たちだったが、
母が戻ってくると安心してオッパイを飲み始めた。

oyako1.jpg
 「子供たち、たくさんお飲み」

さっきまであんなに甘ったれていたハンハンの表情が母の顔になった。
普通ならば授乳期の母猫はオッパイが膨れているのですぐにわかるが、
ハンハンのオッパイは全く気付かないくらい小さかった。

授乳期の母猫には普段よりも一層栄養が必要である。
もしかしたら栄養が足りていないのかもしれないと思い、
親方がエサの入ったフィルムケースを取り出し与えてみた。

ところがそのエサに仔猫たちが喰らい付いていき、
あっという間に食べ尽くしてしまった。
仔猫たちが最後の1粒を食べ終わるまで、
ハンハンは一度もエサに手を出さなかった。

oyako4_20080518152023.jpg
 「この人間たちは大丈夫よ。安心してお腹いっぱい食べなさい。」

オッパイは飲んでいたものの、仔猫たちは既に乳離れしていたのだろうか?
母のオッパイがあまり出なくて、早くに乳離れせざるを得なかったのか?
それとも・・こんな場所で暮らしているから子供たちは食べ物にありつけず、
代わりに母がオッパイを飲ませて飢えをしのがせていたのか??

ハンハンの体を心配して親方がもう1つフィルムケースを取り出す。
また仔猫たちが飛びついたが、小さな仔猫の胃袋はもう満タンだったのだろうか。
一口二口食べてエサから離れたところで、ようやくハンハンが食べ始めた。
ガツガツ食べる姿を見て、ようやく私たちも安心できた。

oyako2.jpg


猫は人間と違って多くを求め多くを望まない。
たとえ時代が変わろうと、我が身よりも子供たちのことを第一に想う母心は
人間の世界も猫の世界も同じなのだろう。
母は強くて、いつも陽だまりのように温かい。


すっかり暗くなってしまった帰宅の途、
親方(夫)の背中をじっと見つめながら自転車をひたすらこいでいた。
その間、恐らく彼も私と同じことを考えていたと思う。
それはもちろん、田舎に居る母のこと。




【撮影に使用したカメラ】 Nikon F3 , Nikon new FM2



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